……だが、彼女に触れる事はできない。 彼女は悲しそうな顔をすると、空気に溶けるかの様に消えてしまった。 彼女に触れようと伸ばした自分の手を見つめた。 そこには……クリスタルの指輪が悲しく光る。 ……世界樹の見せる幻。 ……儚く美しい夢。 世界樹が悲しそうに揺れた。 ……それでもいいんだ。 指輪をそっと握り締める。