それから暫く進むと、草原の遥か遠くにグレノアの軍旗が見える。 もちろん向こうも俺達に気付き、それぞれが剣を抜くのが見えた。 これから……戦いが始まる。 「全軍……突撃!!」 その俺の掛け声と共に、辺りに褐色の飛沫が舞った。 雨で濡れた緩い大地をフリーディア、グレノア軍共に、大きな雄叫びを上げながら走り抜ける。 弾ける金属音と誰かの悲痛な叫びと共に……混戦が始まった。 「頼んだぞ……ロイ」 そう小さく呟くと、コクンと頷いて見せたアシュリーと共に……戦いの最中へと向かって行った。