告白代行部は恋をしない....はず

春の風が吹く。校門の前に立ちながら、私、高橋紫音は何度目かの深呼吸をした。
大丈夫。高校デビューとかするつもりはないし、友達百人作ろうとかも思ってない。
普通に過ごせればそれでいい。

普通に授業受けて、

普通に友達作って、

普通に卒業する。それだけだ。
「よし」
私は小さく呟いて、青葉高校の校門をくぐった。

そのときだった。

「おはようございますっ!」
「神崎先輩!」
「今日もかっこいい……!」

何だ?朝からやたらと騒がしい。思わず声のする方を見る。
人だかりの中心にいたのは、一人の年上らしき男子生徒だった。

背が高い。顔が良い。めちゃくちゃ顔が良い。というか顔が良すぎる。(2回目)
少女漫画なら確実に可愛いヒロインとお付き合いしてるタイプだ。

「うわ」
思わず声が出た。かっこいい〜、とかそういう感情の「うわ」じゃなくて、ドン引きの「うわ」だね。

すると、隣を歩いていた女子が振り返った。
「知らないの?」

「え?」

知るわけないでしょうが。今日ここに初めて来たんだから。

「神崎蒼先輩。生徒会長」

へぇ、なるほど。だからあんなに人が集まっているのか。
私は興味を失って歩き出した。顔が良くても生徒会長でも、私には関係ない。

だって同じ学年じゃないし、そもそもキョーミがない!!
これから三年間、一度も話さない可能性だってある。

そう思っていた。
本当に、その時は。