Incomplete -この世界にいない君に、恋をした-




帰宅した私は、コートも脱がずにそのままベッドに倒れ込んだ。

思っている以上に疲れているのか、体が重い。

瞼を閉じた瞬間、意識が沈んでいく。

異様に眠いな…────


何も考えたくない。
何も感じたくない。
ただ、眠りたい。

そのはずだったのに……



ふと、目が覚める。
ぼんやりとした視界の中、ゆっくりと上体を起こす。

冷たい空気が、肌に触れた。



「え……」


外?

辺りを見渡すと、全く知らない場所。
夜だったはずなのに、光が満ちていて明るい。

建物すらなく、ただ芝生のような草の上にいた。

風の音も、空気の匂いも、言葉にうまくできないけれど、何か違う気がして。

森でもなく、ひたすら緑が一面に広がる世界。

静かすぎる空間に、鳥肌が立った。



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