***
翌朝、荷物をまとめた俺たちは、大あくびをしながらエレベーターに乗り込もうとして――。
「「あ……」」
上の階から下りてきた栞奈とばったり出くわした。
「お、おはよう、栞奈」
「うん……おはよ」
気まずすぎる。
まさか朝イチで栞奈と顔を合わせることになるなんて。
「なにやってんの? 早く乗れば?」
エレベーターの手前で突っ立ったままの俺たちに向かって栞奈が言う。
「お、おう……」
ぎゅうぎゅう詰めのエレベーターの中は、なぜかしんと静まり返っている。
あれっ、いつも栞奈とどんな話してたっけ?
沈黙が一番居心地悪いんだけど。
「なんだ、まあ……幸せになれよ」
って、言うに事欠いてなに口走ってんだよ、俺!
「……は? 別に、今でもじゅうぶん幸せだし」
栞奈がギロリと俺を睨みながら低い声でそう言うと、すっと視線を逸らす。
「……そうかよ。余計なこと言って悪かったな」
それってやっぱ、笹本に告られたからってこと……だよな。
体じゅうの力が抜けてしまったみたいで、その場にくずおれそうになるのを堪えるので精一杯だ。
いや、栞奈が幸せならいいんだよ。本当に。
今さら栞奈に言えるわけがないんだから。
散々他のヤツのこと好きんなっといて、今さらどの顔で栞奈にそんなこと言うっていうんだよ。
翌朝、荷物をまとめた俺たちは、大あくびをしながらエレベーターに乗り込もうとして――。
「「あ……」」
上の階から下りてきた栞奈とばったり出くわした。
「お、おはよう、栞奈」
「うん……おはよ」
気まずすぎる。
まさか朝イチで栞奈と顔を合わせることになるなんて。
「なにやってんの? 早く乗れば?」
エレベーターの手前で突っ立ったままの俺たちに向かって栞奈が言う。
「お、おう……」
ぎゅうぎゅう詰めのエレベーターの中は、なぜかしんと静まり返っている。
あれっ、いつも栞奈とどんな話してたっけ?
沈黙が一番居心地悪いんだけど。
「なんだ、まあ……幸せになれよ」
って、言うに事欠いてなに口走ってんだよ、俺!
「……は? 別に、今でもじゅうぶん幸せだし」
栞奈がギロリと俺を睨みながら低い声でそう言うと、すっと視線を逸らす。
「……そうかよ。余計なこと言って悪かったな」
それってやっぱ、笹本に告られたからってこと……だよな。
体じゅうの力が抜けてしまったみたいで、その場にくずおれそうになるのを堪えるので精一杯だ。
いや、栞奈が幸せならいいんだよ。本当に。
今さら栞奈に言えるわけがないんだから。
散々他のヤツのこと好きんなっといて、今さらどの顔で栞奈にそんなこと言うっていうんだよ。



