俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

 え……栞奈?


 栞奈が自販機の前で同じクラスの男子――たしかバスケ部の笹本だったかな――と二人きりでしゃべっていた。


「どう……かな」

「えっと……なんて言ったらいいんだろ。ごめんね。わたし、こういうの初めてで……」

 笹本が緊張した声で栞奈に尋ねると、栞奈が戸惑った声で返す。


「返事は今すぐじゃなくていいし。ずっと待ってるから。俺のこと、少しでも考えてもらえたらうれしい」

「うん。……わかった」


 ぎこちない会話が途切れると、こちらに向かって誰かが歩いてくる気配がする。


 やべっ。引き返すか?

 いやむしろ今来たばっかを装うべきか――。


 その場でオロオロしているうちに、栞奈とばったり出くわした。


「お、おう、栞奈。栞奈も土産物屋?」


 盗み聞きしてたの、バレてない……よな?


「あー……ううん、わたしはこれ。お風呂入ったら喉乾いちゃったから、お茶買いに来た」

 そう言って、手に持ったペットボトルを掲げて見せる。


「あー、そっか、そっか。そんじゃ俺は、夏目が土産物屋で待ってるから。じゃあな」

「うん。また明日ね」


 お互いぎこちなく手を振って別れると、足早に廊下を歩いていく。