気がついたら天才心臓外科医と婚約していました



「都、あれあれ、あれを取ってくれ。ほら、あの漢字が書いてあるやつ。」

「ああ、将棋の駒ですね。」

「都、あれあれ、あの黒と白の丸いやつなんだっけ?」

「ああ、囲碁のことですね。」

広大さんが考えていることなんて、言われなくてもすぐに分かる。

「都。いま、ほうとうが食べたいと考えているな?」

「はい。熱々でかぼちゃの入ったほうとうが食べたいです。」

「都。いま、富士山の写真集を探しているな?」

「はい。下からみた富士山と、横からみた富士山を比べてみたくて。」

私と広大さんは、50年かけて以心伝心出来るようになった。




そして今日も私と広大さんは、豆大福を食べながら、ふたりでのんびり生きている。





fin