気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


その女はグラスに入ったシャンパンを喉に流し込み、何かを試すように俺の目をじっと見つめていた。

細身の身体を黒いシルクのドレスで包み、スリットからは形の良い脚が惜しげもなく覗いている。

その瞳は高貴な猫の目のようだった。

俺くらいの男になると、多種多様な女に声を掛けられる。

俺のルックスに惹きつけられる女。

俺の医者というステイタスに目が眩む女。

しかし、こうド直球に職業名を尋ねられたのは初めてだ。

しかもまったくの初対面の女に。

ここはなんと答えるべきか。