家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 病室は四人部屋なので、本当なら別室かどこかへ移動して明莉と巳影、そして両親だけで話すのが理想的だ。

 しかしなにしろ母は手術をして間もない。

 動くのも大変な身だ。

 だから巳影は、そう気遣ってくれたのだ。

「いえ、構いません」

 もちろん母は否定した。

「そうです。こちらの都合に付き合ってもらっているんですから」

 父も母に続いて、肯定する。

 両親からもあたたかい言葉をもらえて、明莉の心拍は速まるばかりだ。

「ありがとうございます。……お父様、お母様。明莉さんと結婚させてください。必ず幸せにいたします」

 巳影は姿勢を正し、はっきりとした口調で発言する。

 隣に立つ明莉の心臓は、大きく高鳴った。

 巳影なら明確に言ってくれるとわかっていたが、直面すれば、強い高揚と喜びが胸を満たす。