家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 これも巳影と同じだ。

 学生時代の想い出と、現在の出来事。

 両方が重なったから、生まれた想いだ。

「はい……!」

 だから涙が頬を伝うままに、微笑む。

 はっきりと受け入れの返事をした。

 巳影の頬が緩む。

 真剣な表情が崩れて、とても幸せそうな顔になった。

「ありがとう。一年が過ぎても、夫婦でいてくれるだろうか?」

 そのあと、巳影はちょっと茶化すように言ってきた。

 確かに『一年間』と約束をしたのに、あれからまだ二ヵ月しか経っていない。

 一年間も考える余地は要らなかった。

 巳影はとても素敵な人で、自分が惹かれる理由も、最初からたっぷりあったのだから。

 だから明莉も涙で頬を濡らしつつ、笑ってしまう。