家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 母の手術は無事、成功に終わった。

 明莉も父も、心から安堵した。

 数日後には、一般病棟に移り、四人部屋の病室に入院することになる。

 そして入院期間はやはり約一ヵ月になりそうだと、予定も決まった。

 少し落ち着いたらすぐリハビリが始まるとのことで、それもまた大変そうだ、と説明を聞きながら明莉は気を引き締めた。

 一番大変なのは母本人だから、自分や父が近くで支えるのだ。

 そう決意もした。

 それで入院して一週間弱が経った頃、巳影がお見舞いに来ることになった。

 平日だが早上がりができるということで、職場から直接病院に来ると言ってくれた。

 明莉はドキドキするものの、嬉しい気持ちでいっぱいだったし、両親も楽しみにしてくれるようだった。

 そしていよいよ当日。

 明莉は少しかしこまったワンピースを身に着けて、午前中から病院にいたのだが……。

 お見舞いとご挨拶は、予想外の方向へ向かうことになる。