家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「……そうか。それは大変だ」

 その日の夜、早めに帰ってくれた巳影に、明莉は事情を説明した。

 帰宅した巳影は、リビングでスーツも脱がないまま、すべて聞いてくれた。

 明莉の話が一段落したあと、眉を寄せ、沈痛な面持ちになる。

「まず明日、手術に付き添おうと思うの。今後のことは、結果次第で詳しくわかると思う」

 ソファの隣に腰掛けた巳影に対して、明莉は今後の方針を話す。

 巳影も真剣な表情で頷いた。

「わかった。また教えてくれ」

 次に明莉は別の件も話した。

 あとから気にかかった、新しい仕事についてのことだ。

「再就職の話なんだけど、もう少しかかっちゃってもいいかな……。現段階でも、入院は一ヵ月弱って見込みだし、なにかあったらすぐお手伝いや様子見に行けるかなって……」

 気が引けながらも聞いた。

 先日受けた面接の結果はまだわからないが、もし最終面接に進めても、いつから入社できるか今のところ不明だ。

 先方の迷惑になってしまっては悪い。

 今回は辞退して、母の入院手伝いに専念できたら、それが理想的だと思った。