家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「わかった、とりあえずすぐに行くよ。どの病院?」

 一通り聞いた明莉は即座にそう決めて、父に場所を聞いた。

 外出用の軽いワンピースに着替える。

 上に薄手のカーディガンを羽織った。

 財布やスマホなど、身の回りのものだけバッグに入れて、すぐ家を出る。

 病院は明莉の住む、この最寄り駅から電車で三十分ほどの場所だ。

 駅前なので、駅に着けば歩いていける。

 平日の電車は空いていて、座席に座れた。

 そこで明莉はスマホから巳影にメッセージを打った。

 事情を簡単に説明して、『詳細がわかったら、また送るね』で終えた。

 巳影は仕事中らしく、電車を降りる頃になっても返信はなかったが、ひとまず目の前のことだ。

 電車を降りた明莉は駅の改札を出て、病院へ急いだ。