家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「ありがとう……! 嬉しい!」

 すぐに明莉の目元はほころぶ。

 頬も緩んで、満面の笑みになった。

 両手で受け取って、箱を見下ろした。

 白に金の模様が少しだけ入った箱は高級感があり、いかにも素敵なスイーツが入っていそうだ。

「一ヵ月、これまでありがとう。そしてこれからもよろしくな」

 喜びを素直に表す明莉に、巳影が手を伸ばした。

 優しくて丁寧な挨拶と共に、髪に触れられる。

 今日は後ろでまとめていた髪の表面だけを、そっと撫でた。

 巳影からこうして軽い接触をされるのは、もう何度もあるので慣れた明莉は、純粋な嬉しさを感じて、頷く。

「うん! 私こそよろしく!」

 あたたかなやり取りを交わして、今日は美味しい夕食を食べる前に幸せな気持ちでいっぱいになってしまった。