家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 三年生のときは明莉が一組で、美花は四組だった。

 そして当時、合同の授業は、隣の二クラスで組むことが多かった。

 だから自分がいない場所で呼ばれていたなら知らなくて当然だろう。

 美花もそう思ったらしい。

「そうだろうね」

 小さく頷いて、肯定した。

「ああ、そうだ。あのね、今度、千葉のテーマパークに行くの。中学卒業のときに記念旅行に行ったなぁって、中学の話をしたら、思い出した!」

 次に言った言葉は明るかった。

 これは二人の共通の想い出なので、明莉の顔も明るくなる。

「あー! そうだ、そうだ。美花と、あと何人かで行ったよね。楽しかったなぁ」

 懐かしい想い出が頭に浮かぶ。

 あのときの友達は、美花以外もずっと仲良くしてくれる子たちだ。

「ねー! 中学最後の最高の想い出だよ。そう、想い出といえばさぁ……」

 美花も気持ちが盛り上がったらしい。

 想い出話を始めた。

 出会って、毎日のように一緒に過ごした中学校のときの話は、いつ話しても楽しい。

 明莉と美花の話はだいぶ盛り上がり、気付いたときには夕方だった。

 帰るためにカフェを出たときには、雨もすっかりあがって、綺麗な夕焼け空になっていた。