家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 あのとき確かに、美花のことを連想したのだった。

 それで親しみを感じられたのだとも、思い出す。

「男の人で『ミカ』って付く人、あまりいないもんね」

 美花もそのまま受け止めて、ハーブティーのグラスを置いた。

 ハーブティーにセットで付いてきた小さいクッキーを摘まみ、かじる。

 そこでふと、思い出した顔をした。

「あー、でもいつか学校で……『ミカー!』って呼ばれてる男子がいたなぁ。私が呼ばれたのかと思ってびっくりしたら、その子の愛称だったみたいで」

 思い出しながら、という顔で話される。

 明莉はちょっと驚いた。

「そうなんだ? いつ?」

 聞いてみると、美花はさらに考える顔をした。

「中三のときだったかも。三組との合同授業のときだったかな?」

 数秒後に返ってきた答えはそれだったから、明莉も納得した。

「それじゃ、私は知らないかぁ」