家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 圭二に一方的に別れを告げられた点については、美花も憤慨してくれた。

「明莉のことを任せられると思ってたのに!」と、友人視点からの優しい言葉までくれたくらいだ。

 そして巳影と出会い、結婚に至った経緯も話した。

 ただし、『ワンナイトがきっかけだった』ということはもちろん伏せた。

 こんな話、信頼している友達に対しても、だいぶ気まずい。

 巳影との夜に後悔などしていないが、やはり他人に話すことではないだろう。

「……そうなんだ。でもきっと、良い生活なんだろうな。明莉、明るい感じだから」

 一通り話を聞いた美花は、小さく頷いて、微笑を浮かべた。

 明莉は驚いてしまう。

「そうかな?」

 不思議に思って聞いたけれど、美花はかえって笑みを濃くした。

「うん。きっと今の生活を良いものだと思ってるんだろうな、って感じるよ」

 そう言ってくれるから、明莉の胸はあたたかくなった。

 確かに巳影と一緒に暮らしてから、もう一ヵ月だ。

 生活にもだいぶ慣れたし、巳影との暮らしは快適だ。