家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 もちろん明莉の言う『独りにしないで』が、単に『寄り添ってほしい』であったわけがない。

 二人はそのまま一夜を過ごした。

(こんな形で彼女と夜を過ごすことになるとは思わなかった……)

 そして明け方。

 シーツにくるまって寝息を立てる明莉を隣に寝そべって見つめながら、巳影はぼんやり思った。

 だがこうなってしまった以上、自分のこのあとの行動は決まっていた。

 責任を取るのだ。

 彼女と籍を入れて、住居を共にして……すなわち結婚だ。

 でもこの決意は、不意な一夜を過ごしてしまった義務感からではない。

 流されるような展開だったとはいえ、相手が明莉でなければ、応えたはずがないからだ。

(言おう。きっと良い機会だったんだ)

 まるで既成事実を作ったかのようだが、あの流れだった以上、仕方がない。

 ならば男らしく、このまま真っ直ぐに進むべきだ。

 決意した巳影は明莉の髪を優しく撫でた。

 そして出てきたのが、日も高くのぼったあと、目覚めた明莉に対するプロポーズの言葉であった。