(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「かわいいなぁ」

「明莉が産まれたときにそっくりねぇ」

 明莉の両親が、感慨深そうな顔でベビーベッドを覗き込む。

 すやすや眠る子を優しげに見つめながら、静かに言い交わした。

 明莉と巳影は、その様子を近くで穏やかに見守った。

 出産も無事に済んだ、翌日のことだ。

 処置を行い、明莉が一般病棟に移れたのはもう夜だった。

 よって明莉の両親がゆっくりと孫に対面できるのは、翌日になった。

 一般病棟の個室にいた明莉と、朝一番でやってきた巳影の次に、明莉の両親がやってきた。

 二人ともベビーベッドの子を見つめたまま、離れなくなったくらいだ。

 そこへコンコン、とノックがあった。

「はい」

 巳影が答えて、入口へ向かう。