(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 痛みも、苦しさもあったけれど、明莉の気持ちには確かな安心があった。

 巳影がいてくれるから。

 自分とお腹の子のそばに、いつも寄り添ってくれるから……。

 やがてお腹の子が出てきて、元気な産声を上げたときには、二人とも涙が零れた。

 それほど喜びと感動が大きかったのだ。

 助産師が取り上げてくれた子どもを、初めて抱く。

 腕の中にいる存在は小さくて、やわらかい。

 確かなぬくもりも感じられた。

「ありがとう、明莉……」

 腕の中にしっかり子どもを抱いて、涙が止まらない明莉の肩を、巳影が包んだ。

 彼も涙声で、そう言ってくれる。

 初めて我が子に会える瞬間を二人で過ごしたことで、一緒に『両親』になれたことを、強く噛みしめられた。