(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 出産当日は、その一週間後だった。

 陣痛が来たのは土曜日のお昼だ。

 まるで巳影が「付き添いたい」と言ったから応えてくれたようだった。

 明莉は巳影に支えられて車に乗り、すぐに病院へ向かった。

 家を出る前に電話をしていたので、病院には明莉の両親も到着していた。

「明莉、頑張って」

 陣痛の間隔を待つ間、ベッドに寝た明莉を、母が励ましてくれる。

 心配そうな顔で、手をしっかり握りしめてくれる母に、明莉は痛みに顔を歪めながらも、強く頷いた。

「うん……!」

 いよいよ分娩室に入るときは、巳影も一緒だった。

 立ち合い出産を選んだので、二人で出産に臨むことになる。

 分娩台でお腹の子と必死に向き合う明莉の手を、巳影がずっと握っていてくれた。