(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 ホットミルクを飲み終えて、マグカップをテーブルに戻していた明莉は、その気持ちを察する。

「早く会いたいね」

 微笑を浮かべて小さく頷けば、巳影もマグカップをテーブルに置いて、こちらへ手を伸ばした。

 明莉のお腹に、そっと触れる。

 巳影の大きな手が、大きく膨らんだお腹に優しく触れて、軽く撫でる。

 お腹の子も、パパに撫でられているのがわかるだろう。

 明莉が心地良く感じるのはもちろんだが、中にいる赤ちゃんもきっと同じだ。

 その証拠に……。

「……おっ」

 巳影がちょっと驚いた声を上げた。

 ポコン、と明莉のお腹が動いたからだ。

「ふふっ、パパが撫でたのがわかったんだ」

 自分の体でも実感した明莉は、つい笑ってしまう。

 まるで巳影の言葉に反応したようだ。

 実際、お腹の中ではもうだいぶ前から音も聞こえているらしいから、その可能性は高そうだ。