(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 もう一、二時間もすれば眠る時間なので、くつろげる飲み物を選んだ。

 メープルシロップを少し加えたから、ほんのり甘い味わいだ。

 二月に入ってしばらく経ったとはいえ、夜はまだ冷える。

 ホットドリンクは、体もあたためてくれるだろう。

「予定日まであと十日くらいか」

 ホットミルクを味わいながら話すうちに、巳影がそう言った。

 しみじみとした響きの声だ。

「うん。楽しみ」

 明莉も同じような声音で返す。

「週末だといいんだけどな。俺がすぐに明莉を病院に連れて行けるように……」

 視線を上げて、壁に掛けたカレンダーを見た巳影が、少し心配そうに言う。

 それで優しいことを言ってくれた。

「そうだね。それだと安心だけど、平日でも大丈夫。もうタクシーを呼ぶ準備もできてるし」

 明莉は幸せの笑みになり、そう返す。