(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「お疲れ様、ミカくん。手伝ってくれてありがとう」

 ある夜、ソファでフェイスタオルを畳んでいた巳影の元へ、明莉はマグカップを持っていった。

「いや、このくらいするさ。お、飲み物をありがとう」

 洗濯物の中の、ちょうどタオル類を畳み終えた巳影が顔を上げる。

 もうお風呂も済ませたので、リラックスウェア姿だ。

 マグカップを持って近付く明莉を見て、笑みを浮かべた。

 今日は平日で、巳影はもちろん仕事だったのに、帰ってからもこうして手伝ってくれるのだ。

 巳影はさらっとこんなふうに言うけれど、『やって当たり前』のことではない。

 明莉の体を気遣ってくれる、優しい気持ちがあるからだ。

「ホットミルクにしたけど、良かったかな?」

 自分もルームワンピースに、厚手のカーディガンを羽織った明莉は、巳影の隣に座り、マグカップを差し出す。

 洗濯物も一段落していたので、巳影も明莉のほうへ向き、手を出した。

「ああ。あったかい飲み物は良いな」

 そうして大きな手で取っ手を持ち、大切そうに中身を見つめた。