(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「わぁ……! かわいい!」

 箱を両手で持った明莉の目は、一気に輝く。

 入っているのは、やわらかな色合いのアイボリーのベビー服だ。

 クマの刺繍がワンポイントで入っている。

「男女は産まれてきてから知りたいって聞いたから、男女どっちでも似合いそうなのを選んだよ」

 箱を開ける明莉の横に座る美花が、優しく笑う。

「嬉しい! ……わ、やわらかくて、いい手触り……!」

 彼女の気遣いに嬉しくなりながら、明莉は服を取り出した。

 そっと広げて両手で持てば、ふわっとやわらかな感触が感じられた。

 デザインも、たくさん着せられそうなものだ。

 美花が「先に渡したい」と言ってくれたのも自然だった。

 産まれてからは、何着もベビー服が必要になるのだから。

「ありがとう、美花。きっとこの子も喜ぶと思う」

 服を優しく持った明莉は、隣の美花を見て、改めてお礼を言った。