(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

(side明莉)


 式も無事に終わって、年が明けた。

 年末年始は巳影と家で過ごした。

 それでも元日か二日、三日のうちには実家と義実家へ挨拶に行くのだろうと、明莉は想像していた。

 だがそれは外れた。

 両親も、巳影の祖父母も、向こうから二人の家まで来てくれたのだ。

 もちろん妊娠後期の明莉を気遣ってくれたためだ。

 驚き、恐縮もしたけれど、それ以上に明莉は心底嬉しくなった。

 巳影からだけではなく、身内からこれほど大切にされたら当然だ。

 そんな優しい挨拶を交わした年始も過ぎて、巳影の仕事も再開された。

 明莉は主に家で過ごし、無理のない範囲で家事を行った。

 お腹ももうすっかり大きくなっている。

 重たくて大変だけど、幸せの重みだ。

 予定日は二月の半ば頃なので、あと一ヵ月ほどということになる。

 そんな頃の土曜日、明莉の元へ、来客があった。