家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 中は六畳ほどの広さで、窓には白いカーテンがかかっていた。

 部屋の端にはシングルベッドが置かれて、逆側には備え付けのクローゼットがある。

 ほかに棚やローテーブルなど、必要なものが揃っていた。

 今まで住んでいたマンションでは、明確な自室がなかったので、明莉はだいぶ勿体無く思ったくらいだ。

 明莉が元の家から運び出した荷物も、すでに搬入されていた。

 部屋の真ん中に段ボールがいくつか置いてある。

 開けて、棚やクローゼットに収納していくだけで済みそうだ。

「お気遣いありがとうございます。こんな良いお宅に住ませていただくので、私も頑張りますね」

 彼の気遣いや素敵な部屋に、シンプルな喜びを覚えた。

 よって微笑が浮かんだ。

 巳影に向かって、宣言する。

 今の職場での仕事はあと一週間ほどで、次の仕事先はまだ決まっていない。

 お給料は二ヵ月分もらえることになっていたが、体は空くのだ。

 そのために、家のことを一時的に引き受けることにした。