(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 でもそれ以上に強かったのは、喜びの感情だ。

 ここで誓いのキスを交わすことで、明莉との愛を、来賓全員に認めてもらえる。

 なによりの幸せな瞬間だと思った。

 巳影は一歩踏み出して、明莉の目の前へ立つ。

 手を伸ばして、繊細なヴェールに触れた。

 軽く目を伏せている明莉の顔の前から、そっとヴェールを持ち上げて、髪の上へ乗せる。

 そうしてから、明莉が顔を上げた。

 視線が再び合って、巳影の心臓はひとつ跳ねる。

 ヴェール越しではなく見えた、明莉の顔や表情があまりに美しかったからだ。

 メイクは肌馴染みの良いベージュカラーを基調としている。

 淑やかで、それでいて細かなラメの輝きがゴージャスな印象だ。

 今日の明莉は、今までで一番美しい装いだと巳影は認識していたが、特別なメイクも明莉の美しさをさらに引き立てていた。