(完結)家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 続いて、明莉から巳影に指輪を嵌めてくれる。

 小さくてやわらかな手が、巳影の手を支えて、指にそっと指輪を通す。

 丁寧な手付きは巳影の胸に、強い高揚を生んだ。

 この指輪からも、二人の絆がさらに強くなるように感じられる。

 二人それぞれの薬指に指輪が収まり、交換は終了だ。

 ペアの指輪を嵌めた二人は、自然と視線を合わせていた。

 交わった視線の先で、明莉の目元が緩む。

 まだヴェール越しだが、優しい笑顔が今日はいっそう明るく見えた。

「次に、誓いのくちづけを」

 神父が厳かに告げて、巳影はさらに鼓動が高まるのを感じた。

 もう明莉とのキスは数えきれないくらい交わしているけれど、今日は特別な意味でのキスなのだから、高揚と緊張が一気に強くなる。