家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 当日は十二月にしてはあたたかい日で、よく晴れた。

 それに教会はしっかり暖房が入っている。

 よって寒い思いをすることもなく、二人の式は無事に始まった。

「病めるときも、健やかなるときも、互いに支えあうことを誓いますか?」

 教会での挙式、誓いの言葉を神父から問いかけられた巳影は、厳かな気持ちで口を開く。

「誓います」

 短い返答の中に、心からの想いを込めた。

 今日の巳影は、グレーの生地のタキシードに、白のネクタイを締めた新郎姿だ。

 隣にはウエディングドレスを身に着けた明莉がいる。

 今まで巳影が目にした中で、一番美しい装いだ。

 ドレスはお腹を締め付けないデザインながらも、繊細なレースやフリルが美しい。

 寒い中なので長袖デザインで、スカート部分は足元まで来るロング丈だ。

 白の色合いも明莉の肌の色によく合っている。

 髪は緩めのアップヘアにセットされて、レースや花の装飾が付いたヴェールをかけていた。

 巳影の挨拶の次は、明莉の番だ。

 神父からの同じ問いかけに、明莉は静かな口調で、はっきりと返答する。

「誓います」