家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 その表情はもう完全に落ち着いており、巳影が愛する明莉の、普段の様子だった。

 手を持ち上げて、彼女の頬に触れる。

 ここもやわらかで、ふっくりした優しい感触と体温が、巳影の手の全体で感じられた。

 こちらを見つめてくれる明莉を、巳影からも真っ直ぐに見た。

 そして口を開く。

 大切な言葉を、心から口に出した。

「これからもきみを守り抜く。どんな形であっても、明莉と、それからお腹の子を傷つけさせたりしない。約束だ」

 誓うように伝える。

 きっとこの言葉は明莉の胸の、一番奥まで届いてくれた。

 明莉の頬が緩んだ感触が、巳影の手に伝わった。

 ちょっと泣き笑いにも見える表情になり、小さく頷く。

「うん。ありがとう」

 それでお礼と、受け入れの言葉をくれた。

 あまりに嬉しい反応に、巳影の頬も緩んでいた。

 幸せの眼差しが交わり、愛情と信頼がいっぱいに溢れた。