家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 警察へ行き、帰宅してからも気持ちを落ち着けるために自宅で話をし……としているうちに、いつの間にか夕方になっていた。

 お昼ご飯は買ったものを簡単に食べただけだったので、みんなお腹が空いており、ここも巳影が作ってくれた。

 巳影の料理はまだ拙いのに、明莉にはなによりのごちそうに感じられたし、彼の想いが染み入って、また涙してしまったくらいだ。

 食べ終えたあとは、巳影の車で、美花を家まで送っていった。

 彼女の家の前で、明莉も巳影も深々と頭を下げてお礼を言い、美花も「大事に至らなかったのが一番です」と頭を下げ返してくれた。

「明莉のこと、これからもよろしくお願いしますね」

 最後にはそう言ってくれて、巳影は強く頷いた。

「もちろんです。美花さんも、今後とも明莉をよろしくお願いいたします」

 丁寧に挨拶までした巳影に、明莉は強い幸せを覚えられた。

 本当に、二人から大切にされていると実感したからだ。

 それで二人は改めて家へ帰ってきた。

 玄関を閉めるなり、巳影が明莉を強く、強く抱きしめたのは言うまでもない。