家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「明莉……!」

 その体を受け止めたのは巳影だった。

 肩をしっかり抱き、腕の中に捕まえる。

「ミカ……くん!」

 助かったのだ。

 本当に危険は去った。

 巳影のあたたかく、力強い腕に抱かれたことで、明莉は全身でそのことを理解した。

「無事で良かった……!」

 明莉を腕の中にしっかり入れて、巳影が強く抱きしめてくれる。

 明莉の目から、一気に熱い涙が零れた。

「うん……!」

 震える手を持ち上げて、巳影の背中に回す。

 コート越しに、強くしがみついた。

「本当に、無事で良かった……」

 隣に美花もやってきた。

 安堵した声で短く言い、そっと明莉の肩に手を置いた。

「ありがとう……、ありがとう、二人とも……!」

 あたたかな涙がとめどなく溢れる中で、明莉は心からお礼を言った。

 自分の心身を守ってくれた、強くて優しい二人に向かって。