家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 明莉も、圭二が自分に執拗にアクセスしてきた理由を、ようやく知る。

 どうやらあのとき『結婚する』と言っていた女性に、騙されるか、裏切られるかしたらしい。

 それで今、言った通りの状況になった……。

「自分のしたことの報いを受けるだけだろう」

 巳影が告げたことに、圭二は地面を見た。

 肩も落ちる。

 自分の行動や、起こったことをやっと理解した、という顔になった。

 その圭二に対して、これで最後、という口調で巳影がもうひとつ告げる。

「そういう仕打ちをしたんだ。ちょうど、明莉に対する慰謝料も、近々請求する気でいた」

 圭二はのろのろと顔を上げた。

 顔からは生気が抜けている。

 ぼうっとした様子で、なんとか言葉を絞り出した。

「な……んだよ、慰謝料って……」

 思い当たらない、という顔で言う。

「明莉との交際は七年。そのうち、同棲は五年間だったか? この年月は立派に『内縁状態』といえるだろう。それを不貞行為の末に、一方的に破棄したことに対する慰謝料だ」

 そんな圭二に、巳影はやはり、淡々とした口調で説明を始めた。