家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「……見てたっていうのか」

 巳影も驚いたらしい。

 さすがに数秒黙った。

 でも静かに口を開く。

 ただ、質問するだけの言葉だ。

 圭二はその反応を見て、調子づいたようだ。

 勢い良く続けた。

「ああ、そうさ! あのときデキたっていうんなら計算が合う。娘がそんな女だって、親に伝えてもいいんだぜ!」

 明莉はもう、震えながら聞くしかなかった。

 両親に危害が及ぶと脅されたことだけではない。

 あの夜に後悔なんてないけれど、事実ではある。

 世間的に褒められたことでないのは確かだ。

 両親に知られたら、悲しむかもしれない。

 色々な不安が明莉の頭の中に渦巻いて、感情はもうぐちゃぐちゃだった。

「大体、ホテルになんてホイホイ行くくらいだ。本当にこいつの子かも、怪しいもんだ!」

 明莉の内心はわかっているだろう。

 圭二はさらにペラペラとまくしたてる。