家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「封をされてるから中は見てないけど……、晒されたら不都合なことが書いてあるんだよね? 特に巳影さんには見られたくないんじゃないの? わざわざ実家のほうへ入れたんだから」

 美花が巳影のほうをチラッと見る。

 巳影も封筒を見つめていたが、美花を促すように、小さく頷いた。

「ぐ……、俺のもんだって証拠はあるのかよ!」

 最後の抵抗とばかりに圭二がうめいたが、美花がとどめを刺した。

「もちろん。あなたがポストに入れたところを録画してあるの。それに指紋もついてるに決まってる。素手だったものね」

 圭二は言葉を失った様子になった。

 美花は静かに一歩踏み出して、慎重な足取りで近付いてくる。

「それに悪いけど、話は最初から全部聞かせてもらった。秋にカフェで私と明莉の話をこそこそ聞いてたの、そういう理由だったんだね」

 声音も落ち着いていた。

 でもこれも巳影と同じだ。

 強い怒りが滲んでいる。