家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 不意打ちの連続を食らって、もうスマホどころではなくなった。

 体が震えて、取り落とさないようにするのが精一杯になる。

 明莉が圭二の言葉を理解したのはわかったようで、圭二はにやりと笑った。

 さらに酷い言葉を続ける。

「俺が行っても、きっとお前は警察だのなんだのウダウダするつもりだろうから、お前の親になにか起こるのは、俺が捕まるより早いだろうな!」

 勝ち誇った顔で言い捨てた。

 明莉は凍りついたまま立ち尽くすしかなかった。

 でもそこで、冷たい声が不意にかかった。

 明莉がよく知っていて、一番信頼している人の声だ。

「他人の家の前で、なにをしているんだ」

 こんな声音を明莉は聞いたことがない。

 静かなのに、恐ろしいほどの怒りが、明らかに詰まっていた。