家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 でも圭二が易々と諦めるとは思えなかった。

 だから巳影や美花に助けてもらったとしても、自分でも向き合わなければならないのだ。

 明莉はごくっと喉を鳴らして、お腹に手をやった。

 そこには膨らんだ感触が確かにある。

 自分が危ない目に遭ったら、お腹の子も危険に晒されるかもしれない。

 圭二と向き合う恐怖よりも、お腹の子を失うことのほうが、明莉は怖かった。

 だから……。

(負けるわけないよ。私を捨てた上に、あんな扱いをした人になんて、絶対に屈さない)

 夕方になる頃には、決意も固まった。

 美花が帰ってきたときには心底安心したけれど、もうこれは彼女に助けてもらえるための安心だけではない。

 自分の気持ちが定まったことへの安心も、同時に存在した。