家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 美花の家で過ごす一日は、だいぶ長く感じられた。

 メイク道具などを借りて身支度を整えた明莉は、努めて穏やかな気持ちでいられるように気を付けながら、スマホで調べ物をした。

 主に警察への連絡や、内容の説明の仕方についてだ。

 まだ明確な被害はないとはいえ、『脅しを受けた』というだけでも十分に通報対象だ。

 検索して調べたところによると、脅し……つまり言葉での脅迫だけでは逮捕されない可能性が高いが、警察から注意や、パトロールの強化などはしてもらえるらしい。

 でも問題は証拠だった。

 脅された内容を録音でもしておけば決定的だが、昨日、不意打ちで会いにこられて、録音なんてしているはずがない。

 もし次の機会があるなら、なんとかして録音か写真を撮るか……。

 それを考えたときだけは、ちょっとぞくっとした。

 あんなことがまた起きるなんて、絶対に嫌だ。