家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 巳影の言葉と声が、明莉の胸に、じぃんと染み入る。

 安堵と喜びに、早くも涙が込み上げた。

「うん、無事だよ。美花が泊めてくれて、さっき起きたところ」

 明莉の返答を聞いて、電話の向こうからも、ほっとした空気が伝わってきた。

『良かった……。気が気じゃなかったんだ。でも読んで心配になったよ。すぐ帰ろうか?』

 でも明莉が半ば予想していたことを言うから、慌ててしまった。

 巳影ならこう言ってくれると思っていたけれど、それは駄目だ。

「ううん! 今は美花が一緒だし、今日もおうちにいて良いって言ってもらえたから、大丈夫。もちろん会いたいけど、ミカくんのお仕事も大事だよ」

 焦って、言った。

 巳影は迷ったようだ。

 やはりそんな空気が伝わってくる。

『そう……だな。大事な会議を複数入れてしまった。今、抜けたら確かに……』

 迷っていることを言うので、明莉は後押しした。

「本当に大丈夫だよ」