家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 寝る前に送ったのは、『ちょっと困ったことがあったの。聞いてほしい』だった。

 その後眠ってしまったので、巳影は一晩中、心配だっただろう。

 申し訳なく思いながら、メッセージアプリの入力欄に触れた。

『ごめんね、寝ちゃってた。実は……』

 事情を説明する言葉を、簡単に入力する。

 圭二が突然会いにきたこと。

 酷いことを言われたこと。

 なんとか逃げ出して、今は美花の家にいること……。

 巳影は早ければもう仕事に出る頃だろうと思ったから、あとで電話で詳しく話そうと思ったのだが、数分後には、電話が鳴っていた。

 明莉の心臓が、ドキッと高鳴る。

 すぐに連絡するくらい、気にかけてくれたのだ。

「も、もしもし」

 ドキドキしながら応答した。

 電話からは、ずっと聞きたかった巳影の声が聞こえてくる。

『ああ! 良かった! 無事なのか?』

 声は明らかに心配そうな響きだった。