家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「……そうなの。圭二さんが……」

 だいぶ落ち着いた明莉が詳しく話した事情に、美花の顔は強張った。

 すべて聞いてもらった明莉は、小さく頷く。

「あんなこと……する人だなんて、思わなかった……」

 ようやく自分でも現実が身に染み込んできて、ぽつりと呟く。

 声は再び、涙声になった。

「そうだよね」

 美花も眉を寄せた。

 沈痛な面持ちになる。

 圭二と直接の面識はないが、交際中、ずっと話を聞いてくれたのだ。

 長いこと明莉から聞いていただけに、彼女もショックだろう。

「巳影さんが帰ってくるの、明後日だっけ」

 気持ちを少し切り替えるように、美花が言う。

 明莉はあと二日すれば彼に会える安心と、今、彼がここにいない不安の両方を抱えながら、頷く。

「うん。明後日の夕方のはず……」

 複雑な気持ちで話した。