家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 明莉の反応を見て、圭二はもはや、面白そうな表情にすらなった。

 目の前までやってきて、目を見つめる。

 その瞳も視線も薄暗くて、明莉はブラックホールに吸い込まれそうな嫌な感覚でいっぱいになった。

「お前の男、金をたっぷり持ってるんだろ。俺はお前と七年近く付き合ってきたよな? そのよしみでちょっと融通してくれよ」

 明莉は目を見開いた。

 嫌な感じで、どくんっと心臓が跳ねる。

 信じられない気持ちだった。

 仮にも……彼の言葉通り、七年近い交際をした相手から、今、こんなふうに脅されるなんて。

 言葉自体にも、彼から発されているのにも、両方からショックを受けた。

 さすがになにも言葉なんて出てこない。

 恐怖とショックで、喉は詰まったようになっている。

「あるいはー……、あの男と別れて、俺とやり直せよ。もちろん上手く言って、あの男から慰謝料でもなんでも巻き上げてこいよな」

 なのに圭二の酷い言葉は続く。