家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「男女は調べないんでしたっけ」

 やがて母は顔を上げて、明莉に聞いた。

 その通りの方針だったので、明莉はそのまま頷く。

「うん。産まれてきたときに知りたいなって、ミカくんと決めたの」

「それもまた楽しみね」

 お腹の子について、しばらく色々と話したあとは、年末に予定している結婚式の話題になる。

 少し前、ハガキやメールで、参加してほしい人たちへ連絡をした。

 招待の連絡がタイトになってしまったが、快く参加の返事をしてくれる人が多く、明莉も巳影も嬉しくなってしまった。

 参加してくれる来賓も決まり、明莉の着るドレスも決定した。

 ドレスは、お腹に負担がかからないようにゆったりしたデザインのもので、その頃の体型に合わせて調整できるものを選んだ。

 ほかにも会場や料理の決定、式や披露宴に必要なものの手配……。

 そんな具体的な式の内容についても、計画が進みつつあった。

 両親も嬉しげに聞いてくれる。

 その次には、少し前の旅行の話になった。

「あのときは、お土産をありがとう。温泉まんじゅう、とっても美味しくて、お父さんなんて二個も三個も……」

 母がくすくす笑いながら、父のほうをチラッと見て言った。