家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「飲み物とか、気を遣うんだよね。大丈夫だった?」

 美花のアイスコーヒーはすぐに出てきた。

 気になったようで、美花は明莉の前にあったホットティーに視線をやり、優しいことを聞いてくれる。

 彼女の優しさに感じ入りながら、明莉は微笑で頷く。

「うん。ノンカフェインのお茶も多いの。これも紅茶だけど、カフェインが入ってないものだよ」

 カフェインは控えたほうが良いのでこれを選んだ。

 妊娠に気付いて以来、明莉は食べ物にも飲み物にも気を配っていた。

 まだ暑さも残るけれど、ホットティーにしたのは、これも体を冷やさないほうが理想的であるためだ。

「そっか! それなら色々楽しめていいね」

 アイスコーヒーにミルクとガムシロップを入れて混ぜる美花は、にこっと笑い、また優しく言った。

 飲み物も揃い、味わいながら明莉はここしばらくの話をした。

 美花には妊娠が判明してしばらくした頃に報告をしていた。

 でも直接会うのは今日が初めてだ。

 明莉はあまり体調が良くなかったし、美花は仕事がある。

 なかなか都合が合わなかった。

 だからこうして久しぶりに顔を合わせて話ができて、明莉はとても嬉しく思ってしまった。

「自分のことみたいに嬉しいな~! 予定日は春だよね?」

 美花が言葉の通りに、うきうきした様子で聞く。

 その通り、予定日はもう病院で聞いたので、明莉はすぐに答えた。

「そうなの。二月頃の予定」