家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「おめでとう! 明莉……!」

 待ち合わせたカフェで、先に席に着いて待っていた明莉を見るなり、美花は顔を輝かせた。

 勢い良くお祝いを言ってくれる。

「ありがと……、ひゃっ!?」

 くすぐったくなりつつもお礼を言いかけたが、直後に変な声が出た。

 美花が明莉を軽く抱きしめてきたのだ。

「本当に喜ばしいよ! おめでとう!」

 明莉を腕でくるんで、美花は心から感じ入っている声で、もう一度言った。

 今日の美花は、華やかに大きく花柄の入ったワンピース姿だ。

 髪をすっきりアップにまとめている。

 抱きしめられれば、ふわっと香水の香りも漂った。

 花のような優しく、可憐な香りだ。

 そんな彼女から、やわらかな腕と胸で抱きしめられるのは、巳影にされるのとは違う喜びがあった。

「私こそ、本当にありがとう」

 だから抱きしめる美花の腕に、そっと触れた。

 大きな祝福に対して、心からのお礼を言う。