家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「そうか。あのときに……」

 その顔でしみじみと言われるから、明莉の胸は、どきんと跳ねた。

 自分で予想していた一番嬉しい反応が返ってきたのだから、仕方がない。

「い、いいのかな。だって、あのときはまだ……」

 ただ、気が引けてしまった理由はある。

 曖昧になりつつも、そう言った。

 だってあのときはこうして入籍して夫婦になるどころか、明莉としてはワンナイトの認識だったのだ。

 あの夜が明けるまでは、きっと巳影だってそう思っていただろう。

 なのに、そのときに子どもができていたなんて……。

 だけど巳影はすぐに首を振った。

 心から幸せを感じている顔で、優しい否定の言葉を言う。

「だって明莉とこうして結ばれることを、予知してたみたいじゃないか。かえって嬉しいよ」

 そしてとてもあたたかく、幸せな解釈を話してくれた。