家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 ちょっと言いづらいけれど、大切なことなので、口に出す。

「あ、あのね……今、三ヵ月くらいなんだって」

 少しためらったものの、きちんと話す。

 巳影は明莉が真剣に話したいのだと悟ったようで、少し体を離した。

 また両手で明莉の肩を包んで、明莉を見つめる。

 明莉の発言の意味がすぐにわからなかったようで、不思議そうな顔だ。

 この反応にはやはり少々の気まずさを覚えながら、明莉はもっとはっきり続けた。

「えっとね、三ヵ月ってことは……、ミカくんと初めてしたときに……だと思うの」

 濁りながらも説明した明莉の言葉に、巳影はまた目を丸くした。

 考えて、少しずつ頭に言葉の意味が浸透してくる、という様子に表情が変化した。

 目の前で見て、明莉の気まずさは続いたが、巳影の表情はまた変わった。

 ふわっと笑みになる。

 少し切なげながらも、確かに嬉しそうな笑みだ。