家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「もちろん!」

 だから弾んだ声で肯定する。

 明莉の様子を見て、巳影の表情はだんだん変わっていった。

 驚きから、目を見張った喜びの表情へ……。

「ありがとう……! 嬉しい……!」

 そして次には肩を引かれて、再びぎゅっと抱きしめられた。

 明莉の体を強く抱きしめ、巳影が言ったのは、強い感動の言葉だ。

 彼が発する喜びの声が、触れた胸から明莉に直接伝わった。

「うん! 私も……!」

 だから自分からも巳影に強く抱き着いた。

 喜びを共有できたのがまた嬉しくて、力いっぱい抱き着く形になる。

「本当に……俺と明莉の子が! こんなに早く……」

 明莉を両腕にくるんでしっかり抱き、巳影は噛みしめるように言った。

 でも明莉はそこで、ひとつだけ、少し気まずい事実を思い出した。