家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

「なんだ? 嬉しそうだけど?」

 巳影は明莉の様子をすぐに感じ取ったらしい。

 自分の感情をわかってもらえることに、また喜びを感じながら、明莉はとても嬉しい事実を口に出した。

「赤ちゃんができたの……!」

 今度は噛みしめる響きになった。

 頬が勝手に緩み、感じ入った顔になったのも自覚する。

 今日の昼間、病院に行って判明したことだ。

 母のリハビリに行った日の帰りに妊娠検査薬を買って、簡易検査をしたところ、その結果は陽性だったのだ。

 よって今日、病院へ行き、検査を受けた。

 それにより妊娠が確定したので、こうして巳影に報告した次第だ。

「え……、ほ、本当か!?」

 巳影は目を真ん丸にした。

 ひとことだけ言ったあと、数秒後には急いた言い方で続ける。

 明莉の背中から手を離して、両肩に置いた。

 明莉の両肩が、彼の大きな手によって、包み込まれる。

 そんな仕草からも、自分が大切にされている上に、この事実も受け入れてもらえるのだと、明莉はすでに理解した。